意外と覚えてない? 旅先で役立つ便利な地図記号

地図記号

最近の地図には紙媒体だけでなく、スマホのアプリや、Google マップやパソコンの地図ソフトなどの電子媒体の地図も多くありますが、国土地理院で地図記号が定められている施設については、媒体を問わず、今でも地図記号が使われています。

もともと地図記号は一見してそこに何があるか分かりやすいように作られており、
地図を読むのに欠かせない便利なものですが、「あれ? これ何の記号だっけ?」と
意外と覚えていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、特に旅行先などで知っておくと便利な地図記号についてまとめてみました。
地図記号にはそれぞれ由来があるので、それを知ることで楽しく覚えることができますよ。

紛らわしい? 覚えにくい? 間違いやすい記号

① 交番と警察署

旅先で何かトラブルがあったら、とりあえず最寄りの交番に相談することになるかもしれません。急を要するだけに、記号を覚えておいて、さっと見つけたいものです。
ちなみに外国人の観光客にとっても、この記号は意味が分かりにくいようで、
通行止めの道路標識と混同されることもあるようです。成り立ちを知っていると、
覚えやすいかもしれないですね。

交番
交番の地図記号は、交番と派出所や駐在所を表しています。由来は制服を着た警官が身に着ける警棒を、2本交差させた形からきているそうです。

警察署
地域の大きな署(警察署)は、交番の記号を丸で囲んだ形を用いています。

② 郵便局

旅行先から友人に手紙を出したり、自宅に荷物やお土産を送ったりする際に、
郵便局の場所を探したいこともあるかもしれません。
郵便マークは色々なところに使われているので、記号自体は馴染みがあるかもしれないですね。

郵便局
普通郵便局、特定郵便局、簡易郵便局を表しており、郵便局の分室や常設の出張所も含んでいます。
郵便局の地図記号は、昔、郵便などをあつかう役所が逓信省(ていしんしょう)と呼ばれていたため、その頭文字である「て」(テ)をカタカナにして、○で囲んであります。

③ 病院と保健所

旅行先で具合が悪くなったら…と病院を探すこともあるかもしれません。
何となく、十字マークだったかな、と覚えているかもしれないですが、
他に似た記号があるのと、個人病院や診療所などには用いられない記号なので注意が必要です。

病院
病院の記号は、国や都道府県・市などの公的機関や個人以外の会などが開設する病院を表しています。個人の病院や医院、診療所はこの記号では表しません。
このマークは、赤十字の形を表している十字型と、昔の自衛隊のマークだった5角の形を合わせて作られたものです。

保険所
こちらは都道府県などの保健所を表しています。
病院の記号を元に形を変えて作成されているので、よく似ています。

鉄道記号って奥が深い!?

駅や線路などを表す地図記号のことを、鉄道記号と呼びます。
地図上で線路や駅を表す場合、JR線と他の私鉄では異なる記号を使っていることはご存知でしょうか?

JR線は、かつてJR線が日本国有鉄道と言う、国が保有して運営している鉄道だったことから、他の私鉄とちがったあらわし方になっているのです。

(JRの駅)

JR

(JR以外の私鉄の駅など)

train
駅やホームの大きさも縮尺に合わせて書かれているので、駅の規模によって、大きさが異なって書かれています。また、私鉄の線路が途中からJRの記号に変わっている場合は、乗り換えが必要であることがわかります。

見逃さないで!観光に欠かせない地図記号

【寺院】

寺院
寺院の記号は、有名な寺や良い目標になるものを表しています。主に、ヒンドゥー教や仏教で用いられる卍という漢字(吉祥の印でもある)を記号化したものが元になっています。ですが、ナチス・ドイツの党章にも似たようなマークが用いられているため、日本の地図を見た外国人には驚かれることも多いそうです。

【神社】

神社
神社にある鳥居の形を元に作られた記号なので、ご存知の方も多いかもしれませんね。この神社の記号は、特に有名なものや良い目標になるものを表しています。

【記念碑】

記念碑
この記号は、有名な記念碑や、良い目標となるものを表しています(立像なども含んでいます)。例えば、忠犬ハチ公像なども記念碑の記号で書かれていることがあります。特に有名な記念碑などの場合は、その名称も一緒に表示されています。
記号の由来は、石でできた記念碑を前から見た形とその影の形が元になっているそうです。

【史跡・名勝・天然記念物】

史跡
文化財保護法で決められている天然記念物の場所や、地域を表しています。史跡・名勝・天然記念物の記号には、その名前も一緒に書かれています。

さいごに

地図記号がわかると、そこがどんな場所なのか一目で理解できるようになりますね。地図記号には時代とともに使われなくなったり、新しく作られたりするものもあり、知れば知るほど面白いものです。今回ご紹介したのはほんの一部ですので、ご興味を持たれた方は是非、この機会に色々調べてみてはいかがでしょう?

≪参考文献≫

『地図の読み方入門』梶谷耕一著 地球丸2005
『地図の記号と地図読み練習帳』大沼一雄著 東洋書店 2006
≪参考WEBサイト≫
国土地理院(http://www.gsi.go.jp/)

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